個人再生の2つの種類とは?小規模再生と給与所得者等再生を弁護士が解説

個人再生には、 小規模個人再生給与所得者等再生の2種類があります。
収入の安定性や債権者の同意の有無によって、選ぶべき手続きが異なります。
このページでは、それぞれの特徴と違いを弁護士がわかりやすく解説します。
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弁護士 竹内俊雄(第二東京弁護士会 登録番号33505)
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よくある質問

  • 小規模個人再生と給与所得者等再生、どちらが使いやすい?
    → 一般的には小規模個人再生が多く使われますが、安定した給与収入がある方は給与所得者等再生も選べます。
  • 債権者の同意が必要なのはどちら?
    → 小規模個人再生は債権者の過半数の同意が必要です。給与所得者等再生は不要です。
  • 収入が不安定でも使える?
    → 収入が不安定な場合は、給与所得者等再生は利用できません。小規模個人再生も慎重な判断が必要です。
  • 費用や手続きの難易度に違いはありますか?
    → 大きな差はありませんが、給与所得者等再生は要件が厳しく、利用者は少数です。

個人再生手続には2つの手続きがあります。

貸金業者数の反対があるのが小規模個人再生。反対がかないのが 給与所得者等個人再生。基本は小規模個人再生とお考え下さい。また「給与所所得者」とのタイトルからサラリーマンが給与所得者個人再生手続が適用になる若ではなく、小規模個人再生手続の特則が給与所得者個人再生だと考えてください。

小規模個人再生手続と給与所得者等再生 |減額率は小規模個人再生手続きの方が高い

債権者に反対されると、給与所得者等再生の手続きが必要になる可能性がある。

小規模個人再生手続


小規模個人再生とは、住宅ローン以外の借金の総額が5,000万円以下であり、毎月一定の収入があることが望ましいのですが、農業や水産業に従事していて、一定の時機に収入が望めるのであれば可能になる手続きです。継続して収入を得る見込みがあることが大事です。個人が裁判所に申し立てることにより,裁判所から開始決定を得る方法で審査を受け、貸金業者の申述等の期間を経て再生計画の認可を得る手続きです。
 
【借金の返済金額】
小規模個人再生の場合には、原則として3年間(場合によっては5年間)で、法律で定められた最低弁済額か,又は保有している財産の合計金額(清算価値)のいずれか多い方の金額を最低限返済していく方法で借金を解決する方法です。
 
【貸金業者の反対】
また、再生計画(個人民事再生の返済計画)が裁判所に認められるためには、債権者の数の2分の1以上の反対がなく、かつ反対した債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えていないことが必要となります。なお住宅資金特別条項付の個人再生を利用する場合は、住宅ローン業者は議決権がありませんので、貸金業者数、債権額のいずれにも算入されませ給与所得者等再生手続きにはこのような要件はありません。
※1 最低弁済額とは法律で定められている最低限返済しなければならない金額のことです。

借金総額 最低弁済額
100万円未満 借金総額
100万円以上500万円以下
 100万円
500万円超1500万円以下  借金総額の5分の1
 1500万円超3000万円以下  300万円
3000万円超5000万円未満  借金総額の10分の1 

給与所得者再生手続


給与所得者等再生とは、小規模個人再生を利用できる人のうち、給与等の安定した収入がある方が利用できます。収入の変動幅が小さい人が利用できる手続です。
給与所得者等再生の場合には、A)最低弁済額と(B)清算価値のほか、(C)可処分所得(収入から所得税などを控除し、さらに政令で定められた生活費を差し引いた金額)の2年分のうち、いずれか多い方の金額を最低限返済する必要があります。
一般的には小規模個人再生の場合よりも返済額が高額になります。
その代わり、小規模個人再生で要求される貸金業者数および債権額の要件はありません。
ただし、過去7年以内に破産法に基づく免責決定を受けている場合には、給与所得者等再生の申立をすることはできません(小規模個人再生の申立はできます)。

コーナー 個人再生手続

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