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任意整理で返済が遅れた場合のペナルティとは

和解後に返済が遅れることは誰でもある。知らないと損をする和解書の約款について

返済金の支払いが滞った場合に備えて、あらかじめ損害賠償などについて契約書に定めておく文言を懈怠約款と呼びます。このページでは任意整理において和解交渉した後に作成される和解書(示談書)の約款についてご説明します。

和解書に記載のある約款の例


分割支払いの場合は、たいてい次のような文言の記載があります。
「乙(債務者)が前項の分割金の支払いを怠り、その金額が〇円(たいていは2ヵ月分)に達したときは当然に期限の利益を失う。
乙が期限の利益を失ったときは、また最終支払期限までに第1項の全額を支払わなかったときは、乙は第1項の金額から既払金の額を控除した残額及びこれに対する年〇%(たいてい立替金のようなときは3%とか、14.6%、貸金の場合は20%となる場合が多い)の割合による遅延損害金を直ちに支払う。」弁護士から和解した時に「和解書」を渡してもらい、その説明を受けます。その時に「…だから遅れないようにして払ってください。万が一遅れると一括払いを請求されることになります」と言われるはずですが、あまり頭に入らないようです。ですがこれは重要な事項です。
懈怠約款には、1か月分の遅れの場合と1度でも遅れたらとある場合、また1ヵ月のところが2カ月となっている場合があります。どういうことなのかについては、文言通りで弁護士が付ていようといまいと変わりません。
但し弁護士が付いている(代理人を辞任してない)場合は、再び交渉して改めて交渉してもらい和解しなおすことも考えられます。再び交渉することができない場合は、先行きの見通しが立たない場合です。
既に裁判になっている場合は、給料の差押えも覚悟しなければなりません。そういった場合は自己破産にならざる得ない場合もありますので注意が必要です。

1回遅れたら弁護士に相談する


まずは和解書(債務弁済契約書)の約款(やっかん)条項を読んでみましょう。
全部の債権者と和解が成立したら、弁護士が「辞任」する場合があります。当然毎月の返済は、自分で支払っていくことになります。
任意整理により全部の債権者との和解が成立すると、これからが自分にとって一番大変な時と覚悟しなければなりません。
つまり返済が始まります。都合のいいリボ払いではなく、金利のつかない任意整理という方法での和解をしているので、遅れだしたら将来利息がどんどん付いてきます。期限の利益(一定の期限が到来するまで返済をしなくてもよい、という債務者の利益 )が返済の遅れによって喪失してしまった時は損害金の利率が和解書に明記されていますから、支払いまでの損害金利が元金に加算されて一括の請求を受けることになります。
弁護士に再び依頼してもだらだらと返済できない場合は、日々遅延損害金利が加算され、想像以上に借金が膨らむと考えていいでしょう。

返済できずにほおっておくと一括請求される?


任意整理後に2回分以上支払いを滞納すると「期限の利益」を失い、一括請求を受けることになります。 そうなると、いくら翌月に2ヶ月分の支払いをしたとしても、元どおりの分割払いに戻すことはできなくなり、債務の残額に対して、遅延損害金も発生します。 そこで、期限の利益喪失後、また分割払いに戻したいのであれば、再度の任意整理、再和解をする必要があります。 ただし、このとき弁護士がついていないわけですから、改めて弁護士に依頼することになります。当然弁護士費用が掛かってきますが、それでも遅延損害金を考えると弁護士に依頼すべきです。
しかし、返済金の準備が以前の時より困難と感じた場合は、方針を変更して自己破産や個人再生で解決が図れても司法書士では解決できない場合があります。司法書士は個人再生や自己破産の申立て代理人になれないため、本人が申立てることになります。ですから任意整理後に返済ができなくなった場合は、弁護士に初めから相談することで無駄な費用を掛けないようにしなければなりません。

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