自己破産|メリット&デメリット|弁護士詳解
自己破産は税金、養育費などの一部の例外を除き、借金の返済が免除されるというメリットと、財産を失う他、金融機関の個人信用情報に掲載される、住居や郵便物、職業に制限がかかったするデメリットを弁護士が詳説。
自己破産のメリット
① 返済義務が免除される(借金を払わなくて済みます)
② 請求・督促がなくなる
③ 財産すべてを失うわけではない(クルマとか価値のあるものは失います)
④ 誰でも返済が不能であれば申し立てることができる
借金がなくなる

借金がなくなるので返済に追われることがなくなり暮らしが楽になるのが実感できます。人生設計のプランが立てやすくなります。
ただし、免責不許可事由に該当する場合は、借金が残ります。
生活がラクに

毎月、支払いの期限を何度も気にする必要もありません。精神的に追い詰められることはありません。
家計のやりくりがラク

借金がなくなるため家計のやりくりもしやすくなります。たとえ税金などの滞納があっても、計画が立てやすくなります。生計の立て直しの効率化が図れます。
自己破産のメリット|もう少し詳しくポイント解説
自己破産のメリットはなんといっても税金等の借金は別としても、すべての借金がなくなる
ただし税金等は残ります。
ローンを支払っている最中のものは、債権者会社が引き上げる可能性があります。
借金を返す必要がなくなることです。今後特別な債務を除いて,一切返済する義務がなくなる点です。公租公課などの滞納金は返済しなければなりませんが、そのほかの借金が全部なくなれば生活は楽になります。そのため,自己破産は今後の生活を立て直す上で最も経済的に有利な債務整理の方法といえます。
新得財産は残せる
新得財産とは破産開始決定後に取得した財産
すべての財産がなくなるといっても、実際はある程度の財産を残しておくことはができます。破産開始決定後に取得した財産は、新得財産といって、手放す必要はありません。
差押禁止財産も残せます
最低限の生活保障は民事執行法131条ににより差押を禁止されています
債務者の最低限の生活保障は民事執行法131条ににより差押を禁止されています。ただしローンを支払っている最中のものは、債権者会社が引き上げる可能性があります。
99万円以下の現金は残せる
同時廃止か管財事件かで、手持ちの財産はどう違うのか
◎同時廃止になれば財産は残せる?
そもそも管財事件になるような場合は、財産がある場合です。同時廃止になるような場合は、資産価値のあるような財産などない場合です。ですから同時廃止になると配当は行われないため、財産を残すことが可能です。ではどのくらいの財産が残せるのかということですが、それには基準があります。まず現金等と、現金以外の個別財産で分離して考えます。
手持ちや(普通)預貯金を合計して50万円を超えると管財事件になりますが、それほどなければ同時廃止の可能性があります。あとは個別財産です。普通預貯金以外の預貯金・解約返戻金・積立金・賃貸保証金(その他敷金の返戻金)・貸付金・求償金等・退職金・不動産・自動車・貴金属・家電製品・会員権・株式・近日に取得が見込まれる財産・過払い金等です。これらの個別財産から換金されたお金がどのくらいあるか、ないのか、また実質価値が20万円以下となると同時廃止ということになります。※現金が50万円、生命保険金等の解約返戻金等が20万円であれば、処分されません。
問題は、個別財産をどう使ったのか使途が不明であれば管財事件になります。現金は99万円以下であれば残せるというのは、破産法でいう自由財産のことで自由財産は99万円は破産した方が自由に処分できるお金のことです。
現金が50万円以下の場合は同時廃止
現金が50万円以上99万円以下 現金は残せても管財事件
現金が99万円以上 管財事件。99万円を超える部分は配当にあてる。
以上のようになります。管財事件になれば同時廃止よりも手続きが長期化するのは財産を換金して配当したりするのと、裁判所に支払う予納金も高額になります。現金をいくらまで保有していていいかは自己破産の管轄の裁判所に、確認しておくことです。
管財事件で認められる「自由財産拡張」
自由財産とは破産手続き開始後の新取得財産・差押禁止財産・99万円以下の現金のこと
自由財産拡張ってなんのこと?
破産法で定められた自由財産に含まれない財産について裁判所が自由財産の範囲を広げて所有を認めることです。
同時廃止の場合にはありません。そもそも同時廃止になるのですから、財産などないので無関係です。
管財事件にの場合にのみ使えます。破産法では破産者の生活状況などから考えて自由財産拡張を認めるかどうかを判断されるとなっています。
破産管財人が放棄した財産は自由財産になる
換金が困難な財産
破産管財人は破産者の財産ををお金に換えて債権者に配当します。しかしいくら価値が高いといっても、換金ができないような財産は裁判所の許可を得てその財産を放棄します。破産管財人が放棄した財産は、自己破産したとしても手元に残すことができます。
自己破産のデメリット
1…財産の処分(財産とは不動産・車両(売却価格により)・生命保険の解約・預貯金・近年購入した高額な商品についてです)。
2…職業の制限がある(保険外交員・警備員・会計士などのお金と信用を重視する職業については、免責がおりるまで制限されます)。
3…官報に掲載される。
4…免責を受けてから7年間は再度免責をうけることはできません(これをデメリットというべきか…)。
自己破産のデメリット|もう少し詳しくポイント解説
自己破産のデメリットの一番は新たな借り入れができなくなること
一生できないわけではありません。10年程度とみてください。借りられないだけで、収入の範囲で暮らすには問題はないでしょう。ブラックリストに掲載されるということです。
官報に掲載されます
国の機関紙「官報」に氏名・住所が掲載されます。
免責決定が出るまでの間、職業に制限がかかります
警備員とか士業に就けない等の制限があります
自由制限・資格制限についてはこちらをご覧ください。 ▶ 自己破産|制限
ヤミ金からはたきこまれることも
脅すわけではありませんが、借りたものを返さずに踏み倒すわけですから、ヤミ金から借り入れをしていた場合は、脅される場合も。そうなったら110番しかありません。 ▶ 借金無料相談119